乗り放題「敬老パス」、対象年齢&負担引き上げ必要? 世代間の“不公平感”解消ネックか
東京都では70歳以上の都民が利用可。今後さらに高齢化が進むなか、日本の敬老パスはどうなっていくのだろうか。
日本の敬老パス
全国各地の自治体において、高齢者の公共交通機関利用を割安にする施策が行われている。格安で乗り放題のパスが購入できたり、ローカルのバスに割引料金が設けられたりしている。
1970年代にはじまったもので、高齢者の外出を促進し、住民が心身ともに健康でいられる期間を延ばしていくことが目的だ。これらは個人の幸せだけでなく、自治体にとっても医療費や介護費等に影響する問題である。
免許返納を勧める際、車の運転の代替案としての説得ツールにも使われやすい。
東京都には、「シルバーパス(敬老パス)」がある。70歳以上の都民が対象で、都営地下鉄や都バスをはじめとした各種バス、都電、日暮里・舎人ライナーなどが乗り放題となる。
シルバーパスを手に入れるには、各自年間2万510円(住民税非課税世帯は1000円)を支払う必要があるが、東京都としても、2024年度では約214億円の負担を見積もっている。