「新型クラウン」の成否は、日本の未来を占う“真のベンチマーク”である

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筆者は新型クラウンの世界的な成否こそが、今後の日本の産業力と発信力を示す真のベンチマークになると考えているという。いったいなぜか。

期待と残念、試乗で見えた課題

2023年11月に発売されたセダンの新型クラウン(画像:トヨタ自動車)
2023年11月に発売されたセダンの新型クラウン(画像:トヨタ自動車)

 今回もこの記事を書く前に試乗する機会があり、グレードは中核となるCROSSOVER G Advancedでシートはファブリックタイプのものだった。最新のハイブリッド、4WDシステムは非常に滑らかかつ快適なドライブフィールで、体が沈み込みが深すぎるような柔らかいシートはクラウンの“文脈”と感じた。

 身長176cmの筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)のポジションに運転席を合わせると、後席は足を組めないが快適だ。将来のセダンはもっと足元が広くなると思われる。

 今回の試乗で残念だったのは、音声認識によるユーザー・インターフェース(UI)だ。ドライバーからの音声入力はスムーズだったが、実際に返ってくる日本語は、普段乗っているLEXUS NXの2015年モデルよりもたどたどしい。また、中国の電気自動車(EV)メーカー・比亜迪(BYD)のように「運転席側の窓を半分開けて」といったきめ細かな制御はないようだ。

 車載ハードウエアに十分な機能と容量があれば、このあたりはもっと高精度にできるはずだ。フラッグシップにふさわしい、早急なアップデートに期待したい。

 正直なところ、音声UIやラゲッジスペースなど、いくつかの不満の残る仕上がりだ。しかし、若々しくきれいなスタイリングも含め、シートにメリハリがあれば次回の購入候補になると筆者は感じた。

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