「新型クラウン」の成否は、日本の未来を占う“真のベンチマーク”である

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筆者は新型クラウンの世界的な成否こそが、今後の日本の産業力と発信力を示す真のベンチマークになると考えているという。いったいなぜか。

フルモデルチェンジは15回

2023年11月に発売されたセダンの新型クラウン(画像:トヨタ自動車)
2023年11月に発売されたセダンの新型クラウン(画像:トヨタ自動車)

 一方、コロナ禍で半導体が不足したため、新車のリモートキーが1本しか配布されないことが話題となっている。営業担当者に確認したところ、現在でも一定期間経過後にようやく2本目が渡されるとのことだった。

 これは、競合する輸入車ブランドや他メーカーではあまりないことだ。転売防止策なのだろうが、高級車に限っていえば、顧客優先策とはいい難い。本当に海外販売でも同じ方針なのだろうか。

 初代クラウンは1955(昭和30)年1月にトヨペット・クラウンとして誕生した。日本初の本格的乗用車として開発され、フロントにダブルウイッシュボーンサスペションを採用するなど、数々の高度なメカニズムを採用した。

 また、トヨタ車初のプレス技術による量産車でもあった。この思惑は成功し、長い歴史のなかで、販売の好不調を繰り返しながらも15回のフルモデルチェンジを行う人気シリーズとなった。

 女優の吉永小百合さんを起用した「いつかはクラウン」というキャッチコピーのキャンペーンも大ヒットした。同時期のライバル車種が消えていくなか、クラウンは生き残り、日本の高級車の代名詞となった。

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