被災地支援の遅れは「ヘリ」「自衛隊」の能力不足ではない! ネットには「ヘリ降りられない」という謎投稿も 震災3週間で考える
孤立地域への救助活動

全国各地の自治体では、大規模災害に備えた災害対策計画を持っているが、そのなかでは地域ごとに受援用のヘリポートも指定されている。これは、各都道府県の消防部隊や消防防災航空隊が駆けつける「緊急消防援助隊」の支援に備えたもので、石川県では奥能登管内だけでも15か所が指定されている。
こうした施設には、自治体の防災訓練などでも実際にヘリコプターを離着陸させることがあるし、多くの自治体は災害対策計画をネット上で公開しているので、自分の住んでいる自治体について改めて確認しておくといいかもしれない。
しかし、これも山あいの小さな集落まで網羅しているわけではなく、救助を求める孤立集落などの現場に、必ずしも事前に指定されたヘリポートがあるとは限らない。そうした現場でヘリコプターが救助活動や物資輸送を行う場合は、人命救助として任意の場所に着陸することが認められているし、降りられない場合は空中停止(ホバリング)したヘリコプターからつり下げによる積み下ろしが行われる。
ホバリング中のヘリコプターから物資や人員を積み下ろしするのに使われるのは、主に
「ホイスト」
と呼ばれる巻き上げ式ウインチだ。ヘリコプターの機外に、70~80mほどのワイヤを下すことができ、これで要救助者を機内に収容したり、支援物資を地上に降ろしたりできる。
各地の自衛隊基地で開かれる航空祭や地域の防災訓練などでも、このホイストを使った救助訓練が展示される機会は多いし、今回の災害派遣でも多くの救助や物資搬送がホイストを使って行われている。
自衛隊の救難ヘリコプターや中型ヘリコプターにもホイストは装備されており、今回の震災では地元である小松救難隊のUH-60ヘリコプターが初期の人命救助に奔走した。しかし、災害時の人命救助は基本的に
・消防
・警察
の役割だ。そのため、大災害時に全国から集まってきた消防防災ヘリコプターや警察ヘリコプターが、被害の大きかった地域での救助の主力を担っている。