米マクドナルドの新業態はなぜ「完全ドライブスルー」なのか? そしてなぜレーンが4つもあるのか?

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2023年12月、米国マクドナルドはイリノイ州シカゴ郊外に、スピンオフともいえる新業態のファストフード店「コスマック」1号店をオープンした。いったいどんな業態なのか。

マクドナルドが打ち出す新業態

コスマックのウェブサイト(画像:コスマック)
コスマックのウェブサイト(画像:コスマック)

 2023年12月、米国マクドナルドはイリノイ州シカゴ郊外に、スピンオフともいえる新業態のファストフード店「CosMc(コスマック)」1号店をオープンした。「宇宙」を意味する「cosmos」とマクドナルドの「マック」の部分である「Mc」をくっつけたブランド名だ。イメージキャラクターには、過去にマクドナルドのキャンペーンに登場した宇宙人のキャラクターを起用して、近未来コンセプトとなっている。

 驚くことに、コスマックは、従来のマクドナルドの看板メニューであるハンバーガーやフライドポテトを封印し、アイスコーヒーなどのコールドドリンクをメインに、全く新しいメニューで挑んでいる。その大胆な戦略が注目を集めているのだ。

 実は米国には、近年までアイスコーヒーはあまり一般的な飲み物ではなかった。コーヒーは熱い飲み物であり、冷やして飲むという概念がなかったのだ。しかし、1990年ごろからスターバックスがアイスコーヒーを提供しはじめ、2010年ごろからは、アイスコーヒー系のドリンクが

「新しい飲み物」

として脚光を浴び、人気となっている。コスマックはその流行をとらえて、アイス系コーヒードリンクをメインに勝負しようとしているのだ。

 しかし、実はこのコスマックには、メニュー戦略以外にも、もうひとつ注目すべき特徴がある。店内飲食なし。つまり、店内にイート・インできる客席スペースがないのだ。完全にテイクアウト・オンリーの

「ドライブスルー店舗展開」

となっている。

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