入社すれば「300万円の車」プレゼント! 1980年代、大阪の企業がこんな突飛なことをやらかしたワケ
平成初期、クルマを所有することが当時の若者にとってステータスであり、夢だった。
ステータス志向が引き起こしたブーム

日本の乗用車保有台数は1970(昭和45)年以降、次のように推移している。
・1970年:727万573台
・1980年:2275万1052台
・1990年:3293万7813台
・2000年:5122万2129台
・2010年:5790万2835台
・2023年:6005万1338台(9月末時点)
1980年代になると、自動車の保有台数は大幅に増加した。さらに1980年代後半には、好景気を背景に、より高級なクルマを所有することがステータスとされるようになった。そのなかで、特に外国車(輸入車)の人気が高まった。この隆盛は、外車販売市場に参入しようとする企業の増加にも反映されている。
例えば、マツダは系列販売会社を通じて輸入車の取り扱いを開始し、1989年から始まったユーノスによるシトロエン販売など、車両販売の拡大を図った。また、ユーノスの店舗設立にあたっては、異業種からの参入も積極的に行った。
・JR北海道
・亀田製菓
・三井鉱山
・中埜酢店(現ミツカン)
など、クルマとはほとんど関係のない100社以上が応えた。当時、日本で店舗を拡大していたBMWも、地元資本に販売店を運営させるという経営方針をとり、結婚式場やみそ製造会社なども参加した。当時は、大きな利益が見込める有望な事業であった。