JR西、関西主要路線に「再エネ」導入へ なぜ鉄道会社はCO2排出ゼロへ加速するのか?
JR西、主要7路線で再エネ電力導入

電車の運転用電力を再生可能エネルギー由来に切り替える鉄道会社が増えてきた。JR西日本は新たに京都線、神戸線など関西の主要路線に再エネ由来の電力を導入する。
大阪府茨木市東部の住宅街、西国22番札所総持寺北側の路地を抜けると、複々線化されたJR京都線に突き当たる。京都市と大阪市を30分足らずで結ぶ新快速をはじめ、特急、快速、普通列車がひっきりなし。平日の日中なら2分弱、朝のラッシュ時なら1分半に1本が通過する京阪間の“大動脈”だ。
電車は動力の電力をつくる際に大量のCO2が出る。関西電力の2022年度電源構成を見ると、45.2%を石炭、液化天然ガスなど火力発電が占める。しかも、CO2を排出しないことを示す非化石証書がつく電気は全体の
「14.6%」
にすぎない。
そこで、JR西日本は京都線をはじめ、
・神戸線
・宝塚線
・山陽本線
・北陸本線
・琵琶湖線
・湖西線
の関西主要7路線に再エネ由来の電力を導入することを決め、発電事業者と企業が直接、電力の売買契約を結ぶコーポレートPPA(Power Purchase Agreement、電力購入契約)実施で総合商社の双日、関西電力と合意した。
双日グループが太陽光由来の電力を供給

双日が設立する特定目的会社が太陽光発電所を整備し、小売り事業者となる関西電力の送電網を通じて再エネ由来の電力を調達する仕組みだ。導入規模は供給線区の年間運転用電力の12%に当たる年間約0.8億kWh。双日は
「再エネ由来の電力供給と環境価値を提供するコーポレートPPAとしては、国内最大規模になる」
という。
導入時期は2026~2027年度。JR西日本は
「将来のゼロカーボンに向けた施策の一環」
とし、一般家庭約1万3000世帯分に相当する年間3万6000tのCO2排出抑制を見込んでいる。先行して再エネ電力100%の運行を実施する大阪環状線、ゆめ咲線と合わせ、年間約14億kWhに達する在来線運転用電力の10%強が再エネ由来に置き換わる。
さらに、JR西日本は山陽、北陸の両新幹線にも再エネ由来の電力を導入する計画。中国電力と契約を結び、2025年度は新幹線運転用電力の6%、2027年度は10%を再エネ由来に切り替えるなど対策を講じ、一般家庭約2万世帯分に当たる年間6万1000tのCO2を削減する。