JR西、関西主要路線に「再エネ」導入へ なぜ鉄道会社はCO2排出ゼロへ加速するのか?

キーワード :
, , ,
電車の運転用電力を再生可能エネルギー由来に切り替える鉄道会社が増えてきた。JR西日本は新たに京都線、神戸線など関西の主要路線に再エネ由来の電力を導入する。

再エネ調達へ非化石証書活用

国内で初めてすべて再エネ電力で運行している東急世田谷線(画像:東急パワーサプライ)
国内で初めてすべて再エネ電力で運行している東急世田谷線(画像:東急パワーサプライ)

 鉄道は自動車に比べ、地球にやさしいといわれるが、大都市圏の列車は運行本数が多く、大量の電力を消費する。その結果、発電時のCO2排出量が大きくなる。鉄道各社が再エネ由来の電力確保に動き始めたことで、関西電力は

「再エネ電力の需要が高まっている」

と指摘する。

 再エネのうち、太陽光や風力発電は発電量が時間帯や天候に左右される。電力は需要と供給のバランスが崩れると、電力系統の周波数が変動する。最悪の場合、大規模停電など不測の事態が起きかねず、扱いにくい一面を持つ。

 地熱発電やバイオマス発電は安定供給が可能だが、発電量がまだ小さい。水力発電は太陽光に次ぐ導入量があるものの、ダム建設による環境への影響を考えると新規開発できる場所が限られる。どの再エネにも発電量拡大に向け、課題が横たわっている。

 鉄道各社は電力消費量が大きく、自前の再エネだけでCO2排出実質ゼロを実現するのは大変だが、非化石証書を電力とセットで購入するなど、確保に知恵を絞っている。非化石証書と一緒なら、実際に使う電力が火力発電由来でも再エネ由来とみなされるからだ。

 政府が推進する2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を達成するには、鉄道会社の脱炭素化が欠かせない。しかも、ESG(Environmental〈環境〉、Social〈社会〉、Governance〈ガバナンス〉)投資の拡大など環境への配慮が鉄道会社の価値や投資呼び込みを左右する時代になりつつある。再エネ由来電力への転換を求める鉄道会社の動きは、今後さらに加速しそうだ。

全てのコメントを見る