千葉県「成田市」の秘めたる可能性 インバウンド県内宿泊は半数以上を占拠、国際空港立地の強み生かせるか
全国平均より低めの高齢者比率

もちろん宿泊しないで観光している外国人もいるかもしれないが、宿泊する観光客としない観光客では消費単価に大きく差があり、国際空港があることのインパクトが房総全域の観光にもたらされているかどうかは疑問である。
成田国際空港は国際空港としては都心から距離が離れており、その解消策として
・成田エクスプレス
・直通バス
など都心へノンストップで直行する交通手段が整備されたため、むしろ千葉県内は
「通過点」
となってしまった経緯がある。
成田市周辺では空港が開発されて以降、大型商業施設やテーマパークの開発の話が立ち上がっては消えている。成田市は13万944人の人口を抱え、近年はほぼ横ばい状態にある。高齢者比率は24.1%であり、全国平均の28.7%、千葉県平均の27.6%を下まわっており、高齢化も比較的緩やかだ。
空港という産業が位置するため生産人口も多く、地方都市のなかでは比較的安定したマーケットといえる。
積極的な台湾誘致戦略

しかし、千葉県は東京への交通の便がよい千葉市以西の都市に人口が集中しており、成田市周辺の広域マーケットでは人口が希薄になっている。
成田市の将来推計人口を見ると人口減少は比較的緩やかだが、周辺エリアである印旛地域の都市を見ると、印西市を除けばマーケットが大きくシュリンク(収縮)していく可能性がある。
大量集客を旨とする大型開発にはリスクがある。テーマパーク開発も成功実績があるものの、投資リスクの高さからなかなか計画は進捗(しんちょく)しなかった。
現在、千葉県では台湾の企業誘致に力を入れている。11月、千葉県の熊谷俊人知事は台湾を訪問し、積極的に千葉県をアピールする外交を展開した。日本への進出を検討している台湾の企業に対して千葉県への進出をあっせんするセミナーで、
・成田国際空港や圏央道による交通アクセスのよさ
・県内にオフィスや研究施設を設ける場合には県が費用の一部を補助する制度があること
などをアピールした。
半導体工場など先端産業の工場誘致がその地域にとって大きなゲームチェンジャーになることは、熊本県菊陽町や北海道千歳市の例を見ればわかる。台湾のTSMCや、国内企業のラピダスの半導体工場誘致によって地価が急速に高騰し、民間投資で住宅開発など都市開発が活発化している。
成田国際空港のある強みを生かして、今、勢いのある台湾企業を誘致し、千葉県を活性化させたい思惑があるのだろう。