JR九州が鹿児島「指宿枕崎線」を協議対象に カツオもびっくり? 輸送密度“最悪”じゃないのになぜか

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JR九州は鹿児島県を走るJR指宿枕崎線の一部について将来のあり方を地元と協議したい考えを示した。“もっと閑散とした区間”があるのに、なぜ指宿枕崎線が選ばれたのだろう。

鹿児島県は条件付きで協議に応じる姿勢

指宿枕崎線(画像:写真AC)
指宿枕崎線(画像:写真AC)

 JR九州は鹿児島県を走るJR指宿(いぶすき)枕崎線の一部について将来のあり方を地元と協議したい考えを示した。“もっと閑散とした区間”があるのに、なぜ指宿枕崎線が選ばれたのだろう。

 車窓から見える桜島や開聞(かいもん)岳、太平洋。雄大な景色を眺めながら、気動車が駆け抜けていく。鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)から指宿市、南九州市を通って枕崎駅(枕崎市)まで87.8kmを結ぶ指宿枕崎線は、南国を走るのどかなローカル線だ。

 枕崎駅には

「本土最南端の始発・終着駅」

と記された碑が設置されている。鉄道ファンなら一度は訪れてみたい場所で、枕崎市で話を聞くと毎年、多数の鉄道ファンがやってきて記念写真を撮っているという。そんな場所が今、廃線の危機にさらされている。

 発端はJR九州の古宮洋二社長は11月末の記者会見で、指宿駅(指宿市)から枕崎駅までの42.1kmについて、鹿児島県や沿線の指宿、南九州、枕崎3市と将来のあり方を議論したい意向を示したことだ。

 JR九州は

「路線廃止を前提にしていない」

と説明しているが、区間名を示して協議入りを求めるのはこれが初めて。沿線の地方自治体や住民からは廃止を視野に入れた動きと受け止められている。

 これに対し、鹿児島県総合政策部の西正智地域政策総括監は12月上旬の県議会本会議で代表質問に答え、路線廃止を前提としない協議なら応じる考えを明らかにした。鹿児島県交通政策課は

「正式な要請は届いていないが、前向きな取り組みを議論する場にしたい」

と述べた。

 指宿枕崎線は全線単線の非電化路線だが、鹿児島市内の区間は通勤路線。1km当たりの1日平均輸送人員を示す輸送密度は2022年度で7000人を超え、混雑する時間帯もある。鹿児島市の市街地を離れ、指宿駅までは輸送密度が2000人足らずに落ちるが、砂風呂で有名な指宿温泉に向かう観光路線で、特急列車も運行している。

 しかし、指宿駅から枕崎駅までは輸送密度220人と乗客数が激減する。1987(昭和62)年のJR九州発足時と比べたら、35年で77%も減った。年間赤字額は3億3700万円。運行本数は1日6往復しかない。

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