白いロマンスカー「VSE」引退で考える 「首都圏有料特急」という未来、通勤利用への大転換は吉と出るか凶と出るか

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ロマンスカーはビジネスユースが多い。では、昔のように観光客向けのデラックスな雰囲気の車両を作ることは不可能なのだろうか。

ビジネスモデルが大きく変化

ロマンスカーGSE(画像:写真AC)
ロマンスカーGSE(画像:写真AC)

 小田急ロマンスカーでは、展望車を備えた車両は現在ではGSE(70000形)しか残っていない。ホームドア対応を意識した7両編成で、1両あたりの車体長は20mである。席数は400席。

 EXE(30000形)・EXEα(30000形)・MSE(60000形)の10両編成578席より、座席数が少ないのだ。このため、展望車があって人気のGSEは、乗客数が多い時間帯には使用されない。金曜の午後や、土日の午前の乗客が集まる時間帯には、EXEもしくはEXEαが使用される。

 わかりやすいのが、土日朝9時00分新宿発のスーパーはこね1号だ。以前はGSEが使用されていたが、乗客の多さゆえEXEもしくはEXEαが使用される。

 朝の新宿方面、夕方以降の小田原方面という通勤客の多い列車には、大量輸送可能なタイプの車両が使用されるようになっている。

 小田急のロマンスカーは、リッチな観光輸送から観光客・通勤客の大量輸送にシフトし、かつ通勤客をメインにしているという状況だ。

 小田急の特急列車は、ビジネスモデルが大きく変わってしまったのだ。

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