白いロマンスカー「VSE」引退で考える 「首都圏有料特急」という未来、通勤利用への大転換は吉と出るか凶と出るか

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ロマンスカーはビジネスユースが多い。では、昔のように観光客向けのデラックスな雰囲気の車両を作ることは不可能なのだろうか。

東武特急のふたつのあり方

スペーシアX(画像:写真AC)
スペーシアX(画像:写真AC)

 東武鉄道では、2023年7月にスペーシアX(N100系)がデビューし、日光・鬼怒川観光の列車として力を入れている。いっぽうで、リバティ(500系)は少しずつ増備され、既存の特急列車を置き換えている。

 スペーシアX以外の東武特急は、観光だけではなく出張・通勤などとさまざまな利用のされ方を意識している。旧来のスペーシア(100系)も、往年の豪華な雰囲気は残しつつも現在ではそのような運用に入っている。

 東武特急は多様な利用のされ方をしてきたが、いっぽうで東武の企業戦略として日光・鬼怒川エリアの観光輸送に力を入れるとし、そこは思い切って豪華な車両にすることにした。旧来のスペーシアには以前は車内販売があったが、コロナ禍でなくなった。スペーシアXでは車内カフェを備え、いっぽうで特急料金を高価格設定するという思い切ったことを実施した。観光に「全振り」である。6両編成で、定員は212人と少ない。

 小田急のVSEのような車両を、いまになって作ったのである。スペーシアXの車両はさらに増備する予定だが、いっぽうで堅実なリバティも増やしていく。

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