自動車のミラーが常に「死角」を生み出し続ける理由
大型車も厳重対策

このような理由から、ミラーの死角問題を完全に解決することは難しいが、さまざまな自動車メーカーやテクノロジー企業が新技術を開発・導入している。
例えば、英国のジャガー・ランドローバーは、「360バーチャル・アーバン・ウインドースクリーン」と呼ばれる透明なAピラー技術の開発に成功した。これは、死角になりやすいAピラーにカメラのライブ映像をリアルタイムで投影することで、Aピラーを透明に見せるシステムだ。また、車両の周囲を360度モニターするシステムも提案されており、通常は死角となる部分を可視化し、ドライバーに安全な視界を提供することが期待されている。
一般乗用車だけでなく、トラックなどの大型車の死角対策も進められている。大型車はその大きさゆえ、一般乗用車よりも死角が広く、車両の後方や周囲が見えにくいため、歩行者や自転車との事故のリスクが高まる。
これを解決するため、大型車の死角に対応する最新技術が数多く導入されている。例えば、360度の視界を提供するカメラシステムやセンサーが使用され、ドライバーは死角の状況をリアルタイムで把握することができる。これにより死角を最小限に抑えることができる。
さらに、大型車のミラーもデジタル化が進み、より広い視野を提供するようになっている。デジタルミラーはカメラで撮影した画像をディスプレーに表示するもので、通常のミラーよりも死角を広くカバーできる。これにより、ドライバーはより正確で包括的な情報を得ることができ、交通事故のリスクを減らすことができる。
こうした技術はまだ一部の車両にしか搭載されていないが、将来的にはこうした死角対策技術を一般化し、より安全な道路環境を普及させることを目指している。
このように、死角をなくすだけでなく、先進的な技術で事故を減らす取り組みが各社で行われており、新たな取り組みや工夫が将来の安全運転につながっている。