EVの「自動車保険料」が英国で70%も上昇したワケ 一部の保険会社は取り扱いを中止、急速なグリーン化が招いた大きな歪みとは
英国の自動車保険料が急上昇している。保険の比較サイトによれば、2023年第3四半期の上昇率は58%にも及ぶという。いったいなぜか。
EV保険料が高騰する理由

車のタイプでいえば、保険料の高騰は、ガソリン車、ディーゼル車は29%増であったのに対し、EVは
「72%増」
であった。これはなぜか。自動車保険の専門家のルイーズ・トーマス氏は、まずEV導入がまだ初期段階であり、保険会社としても保険料設定の経験が豊富でないことによるとする。
この保険料設定をさらに難しくしているのは、EVの加速の速さや、アクセルを離したときのブレーキの効き始めなど、ドライバーがEVとこれまでの車の違いに不慣れなことだ。エンジン音がなく走行が静かなぶん、事故のリスクが高いといった懸念もある。
パンデミック(世界的大流行)を経て、
・車を運転する人が増えた
・道が混雑するようになった
・実際に事故が増えている
ことが保険料に影響している。
修理費が高くなる理由

EVはもともと販売価格が高いが、修理費も高い。まずつくりそのものが修理費を高くしている。
・リチウムイオン電池を搭載したバッテリーが火災を引き起こす可能性があるので、追加の安全対策が必要
・車体が高価なアルミニウムで作られることが多い
・多くの部品が車両に溶接されているため、修理ではなく交換が発生しやすい
・車両が重いぶん、衝突すると他の車に大きな衝撃を与えるリスク
さらに、EVがまだ新しいものであることも影響する。
・特別な訓練を受けた整備士がまだ少ない。整備センターが不足している。よって割増料金の対象となる
・バッテリーに軽微な損傷があるだけで、修理や評価が不可能となる
バッテリーパックは非常に高価で、EV価格の50%に相当するものだ。
バッテリー交換や廃車となれば、保険会社の負担が大きくなる。
保険会社のなかには、EVを扱わなくなったところも出てきている。