EVの「自動車保険料」が英国で70%も上昇したワケ 一部の保険会社は取り扱いを中止、急速なグリーン化が招いた大きな歪みとは

キーワード :
,
英国の自動車保険料が急上昇している。保険の比較サイトによれば、2023年第3四半期の上昇率は58%にも及ぶという。いったいなぜか。

今後の見立て

英国の道路(画像:写真AC)
英国の道路(画像:写真AC)

 一番問題なのは、バッテリーは軽微な損傷があると

「修理や評価が不可能となる」

ことなのではないか。メーカーからバッテリーに関する診断データなど、詳しい情報が開示されていないので、修理側が対応できないのだ。

 英国の解体事業者最大手『サイネティック』のドンカスター工場では、廃車から外したEVやハイブリッドのバッテリーが数千単位で保管されているのだが、マイケル・ヒル事業部長の推測では「少なくとも95%は無傷で、再利用が望ましい」ものだという(2023年3月27日付、『ロイター』)。

 バッテリーに関する判断ができるようになり、交換や廃車の扱いが減れば、保険会社の負担は大幅に軽減され、保険料にも影響するだろう。

 現状では、2032年にはEVに関する資格を持つ整備士が約1万6000人ほど足りなくなると自動車産業協会が予測している(『ガーディアン』、2023年9月30日付)。しかしEVがさらに普及すれば、EV修理に投資する整備センターが増えるはずで価格が抑えられる可能性があるといわれている。

 EVのドライバーたちは、国のグリーン化の目標にいち早く協力しているのに、現在は大きなしわ寄せが来ている。自動車メーカーが修理しやすい商品設計や情報開示をしていくよう、国としても働きかけていくべきだろう。

全てのコメントを見る