「並行在来線」の悲劇ふたたび? 北陸新幹線延伸まで約3か月、「ハピラインふくい」を待ち受けるリアル過ぎる地方現実とは
2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸まで3か月余り。福井県や石川県西部は新幹線開業を待ちわびているが、延伸と同時に経営分離される並行在来線の未来は厳しい。
2022年度決算で営業損益黒字は2社だけ

全国に整備新幹線の並行在来線を運行する三セクは8社ある。IRいしかわ鉄道のほか、
・道南いさりび鉄道(北海道)
・青い森鉄道(青森県)
・IGRいわて銀河鉄道(岩手県)
・えちごトキめき鉄道(新潟県)
・しなの鉄道(長野県)
・あいの風とやま鉄道(富山県)
・肥薩おれんじ鉄道(熊本、鹿児島両県)
だ。
8社のうち、2022年度決算で営業損益が黒字だったのは、
・IRいしかわ鉄道
・青い森鉄道
だけ。肥薩おれんじ鉄道が9億6105万円、えちごトキめき鉄道が4億4951万円、IGRいわて銀河鉄道が4億1013万円の赤字を計上するなど、厳しい経営が続いている。
このうち、青い森鉄道の黒字には“からくり”がある。青い森鉄道は青森県が施設を保有し、青い森鉄道が運行に専念する上下分離方式だが、本来青森県に支払わなければならない年間5億円程度の線路使用料のうち、2億円が減免されていることだ。青森県交通政策課は
「コロナ禍の影響が残るだけに、やむを得ない」
と話した。
並行在来線にとって、最大の収入源は「貨物列車の線路使用料」だが、これにも問題がある。三セクに入る収入は
「貨物列車と旅客列車の割合」
で決まるため、三セクが旅客列車の本数を増やせば増やすほど線路使用料が減ることになる。福井県など沿線自治体は国土交通省に制度見直しを求めているが、経営を取り巻く状況は厳しさを増している。
並行在来線はJR各社が運行しても採算が合わないとして経営分離されている。自治体が路線を残すという強い覚悟で支援を続けなければ、赤字が膨らむ一方だ。人口減少の加速で自治体財政は今後、さらに細る見込み。沿線自治体の覚悟が問われている。