「並行在来線」の悲劇ふたたび? 北陸新幹線延伸まで約3か月、「ハピラインふくい」を待ち受けるリアル過ぎる地方現実とは
2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸まで3か月余り。福井県や石川県西部は新幹線開業を待ちわびているが、延伸と同時に経営分離される並行在来線の未来は厳しい。
IRいしかわも敦賀延伸で状況一変

石川県を走るIRいしかわ鉄道は、並行在来線を引き継いだ三セクのなかで突出した営業成績を上げてきた。2022年度は
「8712万円」
の当期純利益を出している。石川県から受けた約6700万円の補助金を差し引いても黒字だ。
2015年の北陸新幹線金沢延伸で引き継いだ区間は、ハピラインと同じ北陸本線だが、路線は津幡町の倶利伽羅(くりから)駅から金沢市の金沢駅まで17.8km。富山県境付近を除けば、沿線人口が大きい金沢市内。石川県によると、輸送密度はコロナ禍前の2017年度で約1万3000人あった。
しかし、敦賀延伸で状況が一変しそうだ。石川県がまとめた2017年度の1日当たり駅間通過人員を見ると、金沢駅から野々市市の野々市駅までは2万人を超えているものの、小松市の小松駅以西は1万人を下回る。路線も金沢~大聖寺間46.4kmが加わり、64.2kmに延びる。その分、経費がかさむ。
石川県の経営計画は、延伸後10年間で
「42億円」
の赤字が出ると試算した。この状況を打開するため、現在20億円の資本金を石川県と沿線の地方自治体が増資して30億円に増やす一方、運行支援基金の規模も金沢延伸時の30億円を50億円にする計画。金沢駅以西の運賃は延長5年目まで現行の1.09倍、6年目以降1.14倍程度に引き上げる。
石川県並行在来線対策課は
「北陸新幹線や七尾線特急列車とのダイヤ調整、地域で支えるサポーター制度の導入、駅前の整備などを進め、利用促進を図りたい」
としている。