アクセル・ブレーキ踏み間違い事故 その原因を「人間のせい」にしている限り、問題は永遠に解決しない
高齢者・若年者の踏み間違い事故報道。高齢者は機能低下、若年者は未熟が原因だエラー防止には工学的対策が必要である。
事故を防止するもうひとつの方法

最近の車にはこのような安全装置が取り付けられ始めている。
目の前に障害物があるのにアクセルを急に踏み込んだような場合に、システムが踏み間違いだと判断して加速を抑制するのだ。このような工学的対策は高い効果が期待できるが、対策が施された車が普及するまでには時間がかかる。
事故を防止するもうひとつの方法は、人間のエラーを「事故の原因」ではなく、より深いところにある
「背後要因の結果」
だと考えて、エラーを誘発する要因を取り除くことだ。人間のエラーはゼロにはできないが、エラーを誘発する要因を取り除けば、エラー率を下げることはできる。
踏み間違いを誘発する要因には、
・考え事
・いつもと違う運転姿勢
・疲労や焦り
・不適切な靴
などさまざまあるが、この記事のテーマである不適切なユーザーインターフェース(UI)もエラーを誘発する主要な要因である。
UIとは、人間と機械が「命令や情報をやり取りするところ」である。パソコンの場合、キーボード、マウス、マイクなどは人間から機械に情報を送るUIであり、モニターやスピーカーは機械から人間に情報を伝えるUIである。このUI設計が直感的でわかりやすければエラーは起きにくくなり、そうでなければエラーは起きやすくなる。