タクシー業界は「あえて」ライドシェアを受け入れるべし ドライバーの“付加価値”向上が先決、「地理試験」廃止議論は本質的でない
斉藤鉄夫国土交通大臣は先日、タクシードライバーの不足問題について、「地理試験」の廃止について言及した。廃止して本当にドライバーが増えるのか。
ドライバー志望者の悩み要因
地図を見なければ目的地に行けなかった時代には、地理試験は必要だったかもしれないが、カーナビが普及した現代では、試験の必要性は薄れているかもしれない。
しかし、試験で得た知識は無駄にはなっていない。勉強した知識がパッと頭をよぎり、助かったことは何度もある。本当に採用の障壁なのか。
筆者(二階堂運人、物流ライター)は現役のタクシードライバーだが、現場では試験を理由にドライバーになることをためらう人の話をあまり聞かない。多くのタクシー会社やタクシー専門の人材紹介会社が試験対策を行い、合格までバックアップしているからだ。
ためらう要因があるとすれば、
・不規則な勤務体系
・不安定な収入
・理不尽な接客
など、ドライバーに対するネガティブなイメージだろう。試験廃止を考えるよりも、このイメージを払拭(ふっしょく)することの方が重要なのではないだろうか。