前代未聞? 大阪で進む「ホコ天」計画をご存じか
「人中心のストリート」を掲げるプロジェクトで、大阪市中心部に新たな「ホコテン」が誕生しつつある。その未来とは。
観光客の増加と地元の要望

車道の公園化が行われているのは中之島だけではない。大阪ミナミのメインターミナルである南海難波駅前(中央区)でも、人中心の街づくりをめざした工事が進んでいる。それは、難波駅前を走る「道路の駅前広場化」だ。
駅前広場となるのは、南海難波駅ビル(高島屋大阪店)となんばマルイ(丸井なんば店)に挟まれた、これまで道路やタクシー乗り場になっていた場所。大阪ミナミの駅前一等地でありながら、その広さは約2000平方メートルと広大だ。
この駅前を走る道路などの広場化計画は、ミナミを訪れる観光客が増えるなか、地元商店街などの要望によって生まれたものだ。その後、2016年と2021年には実際に車道をふさぐかたちで「なんばひろば改造計画」と題した社会実験を行うなどして、実現性の検討が重ねられてきた。
駅前広場化の工事は2022年に開始、2025年の全面完成をめざしており、2023年中にも一部が供用開始される予定。広場の完成後には観光案内所や椅子などを設置、カフェなども誘致して「のんびり過ごせる場所」にするとしている。
難波エリアは外国人観光客から人気を集める場所であり、インバウンド(訪日外国人)の回復によって歩道には多くの観光客があふれかえる状況となることも少なくない。広場の完成後は、こうした大阪を訪れる世界中の人たちにも親しまれる場となるだろう。