「観光公害」が酷いのに、わざわざ“京都”に行く必要あるのか? という根本的疑問

キーワード :
,
2023年上半期の訪日外国人客数は2019年同期比64.4%まで回復した。だが、定番観光地を訪れることに、そもそも意味はあるのか。

「観光公害」再び

定番観光地のイメージ(画像:写真AC)
定番観光地のイメージ(画像:写真AC)

 アフターコロナの訪日外国人客の回復が本格化している。日本政府観光局によれば2023年上半期(1~6月)の訪日外国人客数は1071万2000人で、2019年同期比64.4%まで回復した。

 これにともない、全国の観光地では公共交通機関が混雑して地元民が利用しづらくなったり、ホテルの価格が高騰したりする

「観光公害」

が再び問題になっている。コロナ禍以前にも問題視されながら、いまだ解決手段を見いだせていない観光公害。その解決策は、

「観光客の意識」

を変えることに尽きる。

 京都市では、観光客の急増が原因でバスや電車などの公共交通機関を地元民が利用しにくくなり、深刻な問題になっている。これに対して京都市では、2023年9月から市営バスが1日乗り放題になる「バス1日乗車券」の販売取りやめることを決めた。

 また、今後は混雑を分散させるため、

・観光客が利用する路線
・地元民が日常的に利用する路線

に運賃差を設けることも検討している。

 対策はどこでも手探りの状態だ。多くの観光公害に悩む地域で検討されているのは、予約制の導入による人数制限である。しかし、これも効果的な対策になるかどうかはわからない。というのも、過度な制限によって

「観光客が減少する可能性」

があるからだ。どの施設が、どの程度まで人数制限するかの判断は極めて困難なのだ。

 結局、

「定番観光地にばかり人が集中する状況」

を解消しなければ、問題の解決には至らない。

全てのコメントを見る