ホンダ「無人タクシー」都内運行は成功する? 全米都市で運転した私が感じる、“東京の路上”という度を超えた厄介さ
日本での初期展開地域

そうしたなかでの日本でのビジネス展開である。現時点で伝えられているのは、首尾よく事業許可が下りた段階での初期ローンチでは10台程度の運行からスタートする。
運行地域の選定は冒頭に記したとおりこれからだが、おそらくは十分な幅員のある複数車線の道路となるだろう。交通量は少ない方がよいが、東京都心かつ運行開始時における注目度の高さを考えるとそうもいってはおられず、基本的には
「ビジネスや商業施設が集中している地域」
とならざるを得ないように思える。
これはあくまで筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)の推測だが、
・新宿副都心周辺
・丸の内周辺
・皇居周辺
などが最初の候補地になるのではないかと考えている。
このビジネスは当初の運用に問題がなく軌道に乗れば、投入車両を順次増加した上で500台での運用を目指す。生産計画は前述した合弁企業が行うが、実際に生産を担当するのはGMとなる。
GMクルーズホールディングスLLCの最高経営責任者(CEO)であるカイル・ヴォクト氏は、公式リリースにおいて
「日本では安全でアクセスしやすい交通手段に対するニーズがあり、それらは日々増大している。そして自動運転タクシーはまぐれもなく問題に対する解決策である」
とコメントしている。
これはある意味正しい。しかしその一方で、日本国内の路上環境は自動運転車には余りにも過酷であるという指摘も多い。特に
・動きが不規則な歩行者
・同じく自由奔放な自転車
・交通の流れを無視しがちなバイク
・初心者からベテランまでが混在する自家用車
・タクシー、運送トラック、路線バスなどの営業車
これらが複雑に入り乱れた東京都心部の混合交通。その上での慢性的な渋滞。基本的な交通マナーの問題――。
全米各地の主要数十都市で実際にハンドルに握った経験がある筆者の印象としては、米国のどんな都市よりも過酷なのが東京の路上であるといわざるを得ない。