ホンダ「無人タクシー」都内運行は成功する? 全米都市で運転した私が感じる、“東京の路上”という度を超えた厄介さ
成功の裏にある課題

これら自動運転は、新時代の人員輸送システムとして大いに期待されている一方、その運用に当たってはまだまだ課題が多いとされている。この分野におけるGMクルーズホールディングスLLCは先駆者であり、既に米国内では自動運転タクシーの営業運転を行っている。
営業しているのは
・テキサス州オースティン
・アリゾナ州フェニックス
・カリフォルニア州サンフランシスコ
である。これらの地域は米国のなかでも
・車両の制御に使用する5G通信インフラ
・交通および道路環境
・自治体と理解と支援
・周辺住人のITやAIに関する認知理解度
などを総合的に判断して決定されたものといわれている。
現時点での3都市における総走行距離はおよそ500万マイル。乗車後の顧客評価で5つ星を獲得した回数も10万件を超えているから、それなりに市民権を得ていることは間違い無い。
果たして、日本での自動運転タクシーはどういった形で運営されることになるのか。ポイントとなるのは、営業開始まで後2年とちょっとで、車両運行ソフトウエアを
「どこまで日本の路上環境にマッチさせることができるか」
である。
とはいえ課題は現時点では山積している。まずは日本のタクシービジネスにおける新規参入に対するハードルの高さである。特にそれがこれまでなかった自動運転ともなればなおさらだ。これに関しては、ときの政権による強力な政治的支援が必須となるだろう。
加えて近年のライドシェア問題を見るまでもなく、タクシー業界の雇用に直結することだけに運転者や従業員が加盟する組合関係の反発も予想される。こうした組合が主張する新規ビジネスに対する拒否の姿勢における主張は
「安全性の問題」
が多い。安全性の問題を挙げられると、現時点での自動運転タクシーの状況は甚だ心もとない。
ちなみに既述した米国での運用において、今のところ深刻な事故はほとんど起きてはいない。ただしその一方でささいな接触事故が多発しているとの報告もあり、コントロールAIのチューニングや自動運転アルゴリズムの進化も含めて、完全な市民権を得るまでにはまだ相応の時間が掛かるといわれている。