「EVが出火原因」は本当? 自動車運搬船の相次ぐ海上火災、リスク回避で生産「一国集中」から「地産地消」へシフトするか

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2023年7月下旬、ドイツからエジプトに向かっていた自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」が火災を起こし、オランダ沖で座礁した。

EVはほとんど無傷で発見

燃えたEVのイメージ。テスラ・モデルS。2022年6月9日撮影。今回の火災とは関係なし(画像:AFP=時事)
燃えたEVのイメージ。テスラ・モデルS。2022年6月9日撮影。今回の火災とは関係なし(画像:AFP=時事)

 正栄汽船による事故調査の過程で、火元と思われるEVのほとんどがほぼ無傷であることが確認された。12層の貨物デッキのうち、船底部4層に積載されていたEVを含む約1000台は延焼を免れた模様。逆に、上層部4層に積載されていた車両は異常高温にさらされた形跡があり、損傷が激しかった。

 火災発生直後から、EVに搭載された電池の危険性が指摘された。ノルウェーの海運業者はEVの輸送を拒否する立場をとったが、海運各社は以前から海上輸送中のEVの火災を懸念していた。

 リチウムイオン電池の輸送の危険性は、以前から広く認識されていた。リチウムイオン電池が損傷すると、瞬時にセ氏800度近い温度が発生し、周辺の可燃物に引火するといわれており、高温にさらされると熱暴走を起こし、それが火種となって大規模な火災を引き起こす可能性がある。

 消火活動も大変で、延焼を防ぐには大量の水で冷却する必要があり、泡材や二酸化炭素では延焼を抑えるのは難しいといわれている。

 ドイツの大手保険会社アリアンツ・グループによると、2022年に発生した海上火災は209件で、前年比17%増、過去10年間で最多となり、うち13件は自動車運搬船によるものだった。25万件の損害賠償請求のうち、火災の請求が最も高額で、請求全体の18%を占め、リスクが高いことを示している。

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