「EVが出火原因」は本当? 自動車運搬船の相次ぐ海上火災、リスク回避で生産「一国集中」から「地産地消」へシフトするか

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2023年7月下旬、ドイツからエジプトに向かっていた自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」が火災を起こし、オランダ沖で座礁した。

海上輸送の火災被害は数百億ドル

座礁したフリーマントル・ハイウェイ(画像:ベッセルファインダー)
座礁したフリーマントル・ハイウェイ(画像:ベッセルファインダー)

 2023年7月下旬、ドイツからエジプトに向かっていた自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」が火災を起こし、オランダ沖で座礁した。

 積載していた3783台のほとんどはドイツ系自動車メーカーのもので、そのうち498台(約13%)が電気自動車(EV)だった。同船は2013年に建造され、今治造船グループの正栄汽船(愛媛県今治市)が所有、川崎汽船がチャーターしていた。

 実は2022年、商船三井所有の自動車運搬船「フェリシティエース」が大西洋沖で火災を起こし沈没している。

 この船にはランボルギーニ、ベントレー、ポルシェなどの高級車を含む3995台が積載されていたとされ、被害額は500億円超と報じられている。船は沈没し、出火原因は特定されていないが、

「EVが出火原因」

ではないかと臆測されていた。

 一度に数千台を輸送する自動車運搬船に占めるEVの比率は今後さらに高まることが予想され、EVの安全な輸送方法の確立と火災対策の強化が急務となっている。

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