EVシフトがこのまま進めば、世の中に「泥棒」が増えるかもしれない

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今、銅が狙われている。ドイツ鉄道は鉄道沿線に敷いているケーブルの盗難により、2022年だけでも約10億円の損害を被った。

今後も安定供給とはいえない銅

世界の主要銅鉱石生産国(画像:JOGMEC)
世界の主要銅鉱石生産国(画像:JOGMEC)

 銅の価格高騰には、需要と供給の変化がある。順序が逆になるが、はじめに供給面についてみてみよう。

 国際銅研究会(ICSG)によると、世界全体の銅鉱石生産量は、前年比で 2023年に1.9%、2024年に3.7%増加すると予測されている。銅の需要の増加に応える形で生産量は増えているものの、決して将来にわたり供給が安定しているとはいえない金属とのことだ。

 かつて日本でも銅が採掘されていたように世界各地に埋蔵されている銅であるが、現代の工業生産レベルとなると、生産国が非常にかたよっている。図は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による、世界の主要銅鉱石生産国である。

 銅の需要が高くかつ生産国が限られているなら、産出国が高く売りたくなるのは自然な流れだ。外国資本の参入規制、輸出制限、輸出税など資源ナショナリズムにより価格が上昇しやすいといえる。

 また、昨今は世界的な課題として銅鉱石の質が低下しているという。銅の精錬にともなって生まれる副産物が多くなるため処分費用がかさむほか、さらに環境にも配慮しなければならなくなる。このため、より多くの投資が必要となり、自然と銅の価格も上昇するそうだ。

 将来的に銅が枯渇するリスクは低いものの、供給サイドの原因により価格が上昇するリスクを抱えているといえよう。

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