タクシードライバーに“二種免許”は本当に必要か? 「ライドシェア解禁」「普通免許タクシー」議論で改めて問う
福岡市などは、普通免許でタクシーが運転できる制度の初導入を目指し、特区の設置を国に要望する方向で調整を進めている。乗客を乗せるタクシーを運転するには「第二種運転免許」が必要という常識さえ形骸化しようとしている。
普通第二種運転免許の合格率「54.1%」

免許取得はまだまだ難易度が高い。警察庁の統計によると、2022年には2万4436人が普通第二種運転免許の試験を受け、1万3220人が合格。合格率は
「54.1%」
で、普通第一種免許の74.5%と比較すると、難易度が高いことがわかる。
実際の実技試験では、コース上でS字クランクではなくV字クランクを通したり、路上で試験官の急な指示に応じて、駐停車禁止区域かどうかを瞬時に判断したり、停止や転回を行ったりといった高度な技能が試される。
このように第二種運転免許の存在は、日本のタクシー業界において一定の安全性を確保してきた。しかし、昨今のドライバー不足への対応策として打ち出されている「ライドシェア」は、第二種運転免許を持たない一般ドライバーでも有料で客を運ぶことが可能になろうとしている。
これは、昨今のドライバー不足により、消費者が必要なときにタクシーを拾えない現状に対する解決策としては理解できる。
しかし、これまでの記述から明らかなように、第二種運転免許の意義は乗客だけでなく、道路を利用する一般ドライバーや通行人の安全を確保することにある。この目的のために制定され、発展してきた制度を軽視するのは本末転倒である。