中国製EVは「市場を歪める」 欧州が名指しで批判も、依存変わらぬ屈辱現実と時代遅れの報復合戦
EV専業メーカーに加え、中国の3大国有自動車メーカーの欧州での存在感は増すばかりだ。中国製EVのシェアは、現在の8%から2025年には15%に達すると予測する専門家もいる。
欧州委員会委員長が中国を名指しで批判

9月中旬、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、
「国からの巨額な補助金により安く製造された中国製EVが、市場をゆがめている」
と、中国を名指しで批判した。中国製EVは、欧州連合(EU)域内で製造されたモデルよりも約20%安いという情報もあるとのことだ。
EUが雨後のたけのこのように増え続ける中国製EVに脅威を感じるとともに、EVや原材料の中国依存を緩和したいEUの思惑そのものだろう。
過去には、安価な中国製のソーラーパネルが欧州に流れ込んできて、EU域内の太陽光発電産業が壊滅状態に陥ったことがあった。このときもアンチダンピング関税措置を実施しており、中国製EVにも課せられるのではないかという雰囲気が色濃くなりつつある。
また9月下旬には、ヴァルディス・ドムブロウスキス欧州委員会上級副委員長(通商担当)が中国を訪問した。EUは自由で公正な市場アクセスの改善を求め、今後も対話を継続するとしている。
この訪問は、2022年のEUの対中国貿易赤字が約4000億ユーロ(約62兆円)に達するように、貿易不均衡に対する不満も背景にある。このため、中国に対してさらに厳しい態度で臨むことを歓迎する声もあるそうだ。
なお、10月4日にEUは中国製EVの補助金に関する調査を開始した。