小松空港「国際化」に立ちはだかる大きな壁 第2滑走路新設の基準満たせず、今後どうなるのか

キーワード :
, ,
小松空港(石川県小松市)の国際化や活性化を見据え、県では2本目の滑走路(第2滑走路)整備に向けた議論が行われている。30年後の空港の発展を見据え、計画に前向きな姿勢を見せている。

第2滑走路は必要か

小松空港(画像:写真AC)
小松空港(画像:写真AC)

 小松空港(石川県小松市)の国際化や活性化を見据え、県では2本目の滑走路(第2滑走路)整備に向けた議論が行われている。30年後の空港の発展を見据え、計画に前向きな姿勢を見せている。

 国際線は1979(昭和54)年のソウル便(JAL)就航を皮切りに、2004(平成16)年に上海便(中国東方航空)、2008年に台北便(エバー航空)、2019年に香港便(キャセイパシフィック航空)が就航するなど、順調に進展してきた。

 利用者数は堅調に推移し、2018年度には過去最高の約24万人を記録。その後、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年3月以降から全便運休となったが、2023年4月1日、3年ぶりに台北便の運航が再開した。

 小松空港中期ビジョン策定検討委員会は、第2滑走路の有無について、空港運営の民間委託や空港ビルの建て替えのあり方の検討に影響することから、建設の要否について、優先して検討を進め、早期に結論を出すべきであるとの意向を示した。

 第2滑走路の有無は、

・空港運営
・ターミナルビルの建て替え
・小松市の土地区画整理事業

のすべてに関係する問題であり、まずは県の来年度の国家予算編成に係る重点事業と政策提案に盛り込み、調査を進めていく。

 第2滑走路の配置案は、用地取得や騒音などへの影響を考慮し、海側での整備を前提に配置案が検討されることになった。航空保安業務処理規定、管制業務処理規定、管制方式基準で規定されている滑走路の必要間隔である国内基準に基づくと、現滑走路との中心線間隔が

・210m(A案)
・760m(B案)
・1310m(C案)

の3案が考えられる。

 3案のうち、B・C案は住宅・工業団地の移転、北陸自動車道の付け替え、海上の埋め立てなど周辺地域への影響が大きいため、A案により空港施設の配置案を検討する。

全てのコメントを見る