成田からわざわざ「LCC」に乗るのは、本当にコスパがいいのか?

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空の移動において、LCCは今や避けて通れない選択肢である。だが、その安さと便利さには“裏”があるのではないかという疑問が浮上している。

年配者はFSC、若者はLCC

20~69歳の5822人を対象に実施したLCCの利用意識調査(画像:スパコロ)
20~69歳の5822人を対象に実施したLCCの利用意識調査(画像:スパコロ)

 費用対効果は選択をする上で重要な要素である。

 筆者も過去にこの費用対効果のバランスに悩んだことがある。特に記憶に新しいのは、コロナ前の上海からの帰国便の選択だ。当時、上海から東京までの航空会社で最も安かったのは春秋航空だった。しかし、選べる便は次のふたつだった。

・浦東空港(上海)~茨城空港:8000円前後、早朝出発。空港近くに前泊または早朝に空港到着。当時、茨城空港から東京駅まで500円のバスが運行。
・浦東空港~羽田空港:1万5000円前後、夕方発、21時羽田空港着。

約7000円の価格差である。結局、筆者は羽田空港便を選んだが、価格と利便性、どちらを優先するか悩む人も多いだろう。

 年配者はLCCよりFSCを選ぶ傾向が強いが、若い世代にはLCCの人気が高まっている。スパコロ(東京都港区)の調査では、20~69歳の17.7%が格安航空会社を優先すると答え、29.1%がどちらも同じくらい利用すると答えている。

 一見するとまだFSCが優勢に見えるが、年代別に見ると20代で23.6%、30代で21%がLCCを優先している。運賃の安さの代償として不便さはあるものの、時間や体力に余裕のある若い世代にLCCが受け入れられつつあることが、このデータからもうかがえる。

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