成田からわざわざ「LCC」に乗るのは、本当にコスパがいいのか?
空の移動において、LCCは今や避けて通れない選択肢である。だが、その安さと便利さには“裏”があるのではないかという疑問が浮上している。
「アクセス時間」「コスト」のバランス

しかし、需要が伸びているとはいえ、大都市では利便性の低い空港の利用について懐疑的な見方が残っている。東京の場合、LCCが利用する空港は成田空港と茨城空港である。運賃が安くなっても、
・アクセス時間
・コスト
のバランスに悩む人は多いだろう。
実際には、LCCの需要が高まるにつれてアクセスも改善されている。東京と空港を結ぶバス路線も、LCC利用者をターゲットに整備されつつある。現在、こうしたLCC利用者が主に利用しているのは「エアポートバス東京・成田」である。これは、成田空港へのLCC就航を受けて2012年に運航を開始した「東京シャトル(京成グループ)」と「THEアクセス成田(ビィー・トランセグループ)」が2020年に統合したものだ。
これらのバスの時刻表は、LCCと密接にリンクしている。2023年10月2日を例にとると、東京駅発の始発は午前5時、成田空港第3ターミナル着は午前6時2分。この時間帯に第3ターミナルを出発するスプリングジャパンのハルビン行き(6時35分発)には間に合わないが、ジェットスターの札幌行き(7時2分発)には、時間はタイトだが間に合う(出発30分前に受付終了)。
早朝の時間帯に東京駅から成田空港行きのバスに乗ることができれば、前夜のホテル代やタクシー代を節約でき、低料金の恩恵を受けられる。
夜明け前に家を出て、朝5時に東京駅に行くのは非現実的だと考える人もいるかもしれないが、筆者(出島造、フリーライター)は実践したことがある。このときは朝4時頃に自宅近くからシェアサイクルで出発し、無事に駅に到着できた。低料金の恩恵のためには、こうした苦労をいとわないことも必要だ。あるいは、苦労を楽しむというバランスが重要なのかもしれない。