高学歴だらけの「自動車・鉄道業界」 真のビジネスエリートを目指すためには“ジェンダー教育”が不可欠なワケ

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モビリティ企業は日本の基幹産業であり、今も昔も就職先として不動の人気を誇る。そんな業界こそいち早くジェンダー平等を目指すべきだ。

急がれるジェンダー教育

JR東日本のウェブサイト(画像:JR東日本)
JR東日本のウェブサイト(画像:JR東日本)

 モビリティ企業は一般に“男社会”である。そこで活躍する高学歴の男性が育ってきた環境を考えてみると、帰国子女の確率はそれなりに高いが、中高は日本の私立の男子校を経て、理系の学部もしくは経済学部など男子の割合が高い大学、大学院時代を過ごしてきた人が多いだろう。つまり長い間、男性メインの環境のなかで競争を続けてきている。

 男社会に慣れているため、自身で気づかない偏見、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)がある可能性がある。

 採用をはじめとした国内の業務でもそうだが、海外出張や海外赴任において、よりジェンダー平等が進んでいる相手に対し、無意識に差別的な言動をしては大きなダメージとなる恐れもある。

 今こそ自身を大改造するくらいの気持ちでジェンダー教育を受け、女性をはじめとした性的マイノリティーの人たちを信頼していくことが必要だ。

 ここ数年、パンデミック(世界的大流行)やウクライナ侵攻に端を発する物価高騰、異常気象など、想像もつかなかったようなことが次々と起こっている。いわゆる「VUCA(ブーカ)」である。これは、

・Volatility(変動制)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)

の頭文字から取ったもので、先行きの見えない、予測が困難な社会を意味する。

 このような社会において、似たような価値観を持つ集団だけでは、次々起こる問題に対処していくのには限界がある。ジェンダーをはじめ多様性のある集団であれば、今までになかった発想を得て、問題解決に向かえる可能性がぐっと増す。

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