80歳が運転して大丈夫? 「個人タクシー」年齢上限引き上げ、地方で始まった壊滅へのカウントダウン

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壊滅寸前の地方のタクシーを救うため、国土交通省は新方針を打ち出した。人口おおむね30万人以上の都市部に限定して営業を認めてきた個人タクシーを地方で解禁し、年齢の上限を地方に限って原則75歳から80歳に引き上げる内容だ。

二の矢、三の矢が必要

JR牟岐線(画像:写真AC)
JR牟岐線(画像:写真AC)

 それでも、国交省が高齢者の活用に踏み切るのは、地方が崩壊の危機にひんしているからにほかならない。人口減少に歯止めがかからず、地域経済は衰退の一途。自治体の財政は税収減と社会保障費の増大で火の車に陥ろうとしている。

 食料や生活物資を供給する商店やスーパーの撤退が各地で問題になってきた。移動スーパーに依存する地域が増えているほか、秋田県由利本荘市などでは地元の市町で対応できずに県費でスーパーを立ち上げ、住民が運営する地区も出てきた。

 打開策として挙げられるのが、

「地域のコンパクト化で行政コストを下げる」

ことだ。手法としては

・住民
・公共施設
・商業施設

などを拠点となる地域に集め、公共交通で拠点間を結ぶのが一般的だが、公共交通が壊滅寸前ではどうしようもない。

 国交省の新方針で都市部の個人タクシー乗務員がどれだけ地方へ移住するかは疑問が残る。たとえ移住が実現しても高齢の乗務員なら一時しのぎにしかならない。

 国交省は

・ライドシェアの解禁
・外国人乗務員の拡大

など考え得る対策のなかから、二の矢、三の矢を放つ必要がありそうだ。“壊滅のカウントダウン”が始まった地方に残された時間はそう長くない。

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