80歳が運転して大丈夫? 「個人タクシー」年齢上限引き上げ、地方で始まった壊滅へのカウントダウン
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高齢者の重大事故多発に懸念

高齢化社会が世界中に例がないスピードで進み、国民の10人にひとりが80歳以上となるなか、就業人口の大幅減少で人手不足が深刻さを増してきた。総務省によると、そのすき間を埋めるように働く高齢者が増え、2022年で912万人に達している。就業率25.2%は過去最高だ。75歳以上の後期高齢者でも
「11.0%」
が現役で働いている。
冒険家の三浦雄一郎さんが90歳でアウトドア用車いすに乗って富士登山し、話題になったばかりだが、大阪市では92歳の専門商社総務課長、熊本市では90歳のマクドナルド店員、長野県長野市では90歳の劇団員が元気に活躍している。世間はこれら高齢者に拍手を送るが、80歳のタクシー運転手に対しては正反対の反応が返ってくる。
SNSでは
「タクシー業界の既得権を守ろうとしているだけ。80歳のタクシー運転手に命を預けられるのか」
「警察は後期高齢者にさっさと免許返納しろといっていた。80歳まで働けとはまるで無間地獄」
などと批判が高まっている。地方からは
「健康に問題がなければ、タクシーを走らせてほしい」
との声が出ているが、批判にかき消されている。
不安の原因は高齢者の重大事故が相次いでいることだ。警察庁によると、2022年に起きた全国の交通事故発生件数を第一当事者(最も過失が大きい者)の年代別に免許保有者10万人当たりで見ると、10~20代が415~1039件と飛び抜けて多い。30~60代は282~320件でほぼ横ばい。70代以降は341~498件と少し増えるが、若者ほど事故を起こしていない。
しかし、死亡事故に限定すると、16~24歳が4.31件なのに対し、
・70歳以上:4.33件
・75歳以上:5.69件
・80歳以上:7.85件
と高齢者が若者を上回る。国民の不安は統計数字と一致している。