リニア工事見通し立たず 地元民が懸念する「丹那トンネルの二の舞」という現実、水源枯渇の歴史と川勝知事の正当性とは
2027年のリニア中央新幹線開業が危ぶまれている。JR東海の丹羽俊介社長は8月3日、大阪市内で開いた定例記者会見で、リニア中央新幹線の品川~名古屋間の建設が「まだ見通しが立っていない」ことを明らかにした。
大井川水系の水流出も問題

酪農は、移住を余儀なくされた農民たちによって始められた。
もともと丹那盆地では明治時代から酪農が行われていた。代々の当主であった川口家の31代目は、1881(明治14)年に伊豆馬商会を設立。私財を投じて米国からホルスタインを輸入し、住民に酪農を奨励した。現在も丹那盆地では酪農が盛んで、丹那牛乳は地域のトップブランドである。
このように、丹那牛乳を通じて、二度と戻ることのなかった過去の水の歴史を知る静岡県民もいるのだ。
そして、現在の工事でも同じ排水方法が使われる可能性が高いため、「大井川の水がなくなる」ことを彼らは深刻に懸念している。また、すでに始まっている山梨県側の工事中に大井川水系の水が流出することも危惧されている。
奇矯な言動が目立つ川勝知事が単独で反対しているように見える静岡工区の問題は、
「丹那トンネルの二の舞」
を非常に強く恐れている静岡県では大きな関心事である。大井川水系の水量が減ることの影響は、丹那トンネルの時よりもさらに大きくなるだろう。
そこまでしてリニア中央新幹線が必要なのだろうか。