物流クライシスは政府の「自作自演」か? 屈さず生き残るために、運送会社の代表は「原価計算力」を学べ
「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスを乗り越えるため、今こそ求められているのが、運送会社の経営チカラ向上である。これなくしてドライバーの収入アップは実現できるわけがない。
税理士の顧客は従業員ではない

以下は余談だが、
「税理士がOKっていってるから、ウチは大丈夫なんだろうよ」
これも大きな問題だと、筆者は考えている。
運送会社に限ったことではないのだが、そもそも税理士の判断に経営のかじ取りを任せている中小企業経営者が多いことが問題なのだ。
従業員の待遇にしても、「(税理士の)先生、従業員の給料ってこれくらいでいいんですか」と、ほぼ丸投げ状態で相談している中小企業経営者が多いと聞く。
給与設計は、企業経営の中でも最重要課題のひとつである。給与設計のよしあしは、従業員のモチベーション設計に直結するし、また採用戦略や、人事戦略のスタート地点ともなる。
その給与を、(極端な言い方をすれば)決算後の財務諸表を見ながら、
「う~ん、今年はもうかったからもうちょっと従業員の給与をアップしてもいいんじゃないか」
などと、税理士と経営者が相談しているのだ。こんな結果論的なやり方で給与を決定していたら、計画的に従業員の給与アップを実現することなどできるわけがない。
もうひとつ厄介なのは、税理士の顧客はあくまで経営者であって
「従業員ではない」
ことだ。だから、利益が少ないのにも関わらず、経営者がレクサスに乗って会社の利益を食いつぶしていようが気にしない税理士も少なくない。
まあ確かに、
「社長、従業員の給与アップを図るため、社用車にレクサスを採用するのは止めましょう」
なんて提案をするのは、税理士の範囲を超えているとは思うが。