物流危機で新たな問題発生 荷主の危機感につけ込む「ブラック運送会社」が暗躍中、希望なき時代が生んだ現象か

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「代わりはいくらでもいる」、これまで運送会社は荷主にとって、簡単にすげ替えが効く存在だったが、2024年問題を契機に、「運送会社が荷主を選ぶ時代」へと、変化が起きつつある。

荷主の暴論に泣き寝入りした運送会社

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 1990(平成2)年に施行された物流2法(貨物自動車運送事業法、貨物運送取扱事業法)による規制緩和は、結果として、運送会社と、メーカー・卸・小売りなどの荷主企業とのパワーバランスを大きく変えた。

 1994年に4万5015社だった国内運送会社は、2004年には6万社の大台を超え、6万1041社まで急増。わずか10年で1.5倍まで増えたことになる。

 契機となったのは、「トラック運賃の届け出規制の緩和」である。それまで認可制だったものが、1990年には事前届け出制、2003年には事後届け出制へと規制緩和されたのだ。

 結果、運送ビジネスは過当競争に陥り、荷主と運送会社のパワーバランスは大きく荷主側へと偏った。

 運賃の値上げ要請はもちろん、時間指定、ドライバーによる荷積み荷卸、異常な長時間待機といった過剰な付帯サービス要求について、荷主に改善を申し入れようものなら、

「嫌なら、ウチの仕事をやめれば? いいよ、代わりはいくらでもいるから」

といわれるようになったのだ。

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