中国の躍進が止まらない 「EV専門メーカー」の急浮上と自国シェア50%突破見込みの現実、日本勢はどうなるのか

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2023年中に、中国国内における中国の自国自動車メーカーのシェアが初めて50%を超える見込みという調査結果を、アリックスパートナーズが発表した。今後どうなるのか。

輸入車ポジションの今後

北京(画像:写真AC)
北京(画像:写真AC)

 そうした現状を踏まえ、中国国内市場における輸入車のポジションは今後どう変わって行くのだろうか。

 これについては、一部の高級モデルなどは別として、基本的に輸入車シェアは縮小していくだろう。合弁企業によるライセンス生産品ではなく、外国ブランドの国外生産品であることが商品価値を高めているのであれば、それはたとえ中国国内でも一定のユーザー層を確保できる。

 しかしそうした層は多くはない。そもそも、近年は中国国産の高級車ブランドも誕生しており、その行方は未知数ではあるが将来性は決して低くはない。

 そして何より、新興メーカーの多くは中国の国家戦略にのっとったEV開発にまい進している。このことが、今となってはシェアが大きく拡大する要因ともなった。従来の自動車作りに縛られない自由は発想でのEV開発は、ある意味これからの国際的な自動車ビジネスにおけるキーワードにも等しい。

 中国のEV市場は間違いなく有望である。しかし、だからといって外国メーカーがEV分野で真っ向から勝負するのは正直得策ではない。かの国にはかの国なりのEV市場があり、そこでは何よりも価格的な競争力が重視される。

 外国の自動車メーカーが中国国内での価格競争力を高めることは可能なのか。正直、外国メーカーにとって価格を下げるためだけのチープなクルマ作りは苦手な項目である。それは中国以外の諸外国のEVのなかで、ベーシックモデルといわれるものでもそれなりに高価であることからもわかる。

 もうひとつ、中国とて国内で販売するクルマの全てをEV化することは容易ではない。実現するとしても数十年先だろう。

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