成田空港「ワンターミナル構想」に隠れた、“空港アクセス改善”という超重要事項 鉄道混雑率100%超にどう対応するのか
首都圏の玄関口である成田空港は、離れた場所に三つのターミナルが存在するが、今後、大きな変貌を遂げることになりそうだ。
変貌を遂げる成田空港
首都圏の玄関口である成田空港は、離れた場所に三つのターミナルが存在するが、今後、大きな変貌を遂げることになりそうだ。開港から45年を迎えた2023年3月、成田空港の再編に関する検討会が「『新しい成田空港』構想中間とりまとめ」を示し、空港施設を再構成する「ワンターミナル構想」を打ち出した。
現在の成田空港は、
「極めていびつな形」
をしている。これは政府による一方的な空港建設決定に反対運動が起こり、いくつもの未買収地が残ったためである。
その結果、開港以来、成田空港は未完成のまま、施設は分散して建設され、非効率的なレイアウトで運用されてきた。
特に目立つのが第3ターミナルだ。同ターミナルは格安航空会社(LCC)の需要増加を背景に、2015年4月オープンした。
低コストで運営できる第3ターミナルには、開業当時5社のLCCが入居、1年間で乗客数は600万人を超えた。その後も、LCC路線の拡大とともに重要度は高まっている。
そんな第3ターミナルだが、一方でアクセスの悪さは課題だ。第2ターミナルとの距離は
「約500m」
もある。
電車で空港に到着した乗客やターミナル間の乗り換え客は、連絡バスに乗るか、ターミナル間を歩かざるを得ない。空港内の道路整備により連絡バスの所要時間短縮が図られてはいるが、それでもターミナル間移動に10分以上かかることもある。