トラックドライバーが出先でチェンジ 物流業界の希望「中継輸送」に潜んだいくつもの課題
長距離ドライバーは労働時間が長くなりがちだ。それを是正する方策として、「中継地点」を設け、そこでドライバーを交代させる取り組みが増えている。実現に向けた課題はあるのか。
長時間労働の是正策

トラックドライバーの長時間労働を是正することが大きな課題となっている。ドライバーの労働時間の規制が強化される「2024年問題」に限らず、人材確保の観点からも過度な長時間労働を減らすことが急務である。
特に長距離を走るドライバーは、どうしても労働時間が長くなりがちで、将来その担い手が大幅に不足すると懸念されている。
長時間労働を是正する方策として、
「中継地点」
を設け、そこでドライバーを交代させる取り組みが増えている。
食品メーカーのカゴメ(愛知県名古屋市)と日清製粉ウェルナ(東京都千代田区)は、両社の関東地方と中部地方の拠点を運んでいるトラックを、途中の静岡県内でドライバーを交代させ、それぞれのドライバーが日帰りで勤務を終えられる仕組みを始めると発表した。
従来、カゴメは茨城県内の工場から愛知県の倉庫へ、日清製粉ウェルナは愛知県の倉庫から埼玉県内の倉庫へ、それぞれ製品を単独で運んでいた。この場合、帰路を含めると
「1泊2日」
での運行となる。
それを静岡の中継地点でドライバーが交代することで、関東~静岡、中部~静岡の運行となり、距離が短縮されて日帰りでの運行が可能となる。