ダブル連結トラック急増「3年半で15倍」 物流緩和に大きな期待も、立ちふさがる“SA・PA整備遅れ”という厳しい現実
2022年11月に緩和された規制

主要な高速道路、約2050kmの区間のみで運行が許可されていた「ダブル連結トラック」に関する規制が2022年11月、緩和された。緩和内容は運行可能区間の大幅拡大というものだ。
新たに従来の2倍以上となる約5140kmとなったことで、日本全国の高速道路全路線中の
「約56%」
での運用が可能となった。56%というと少ない様に感じられるかもしれない。しかしこのなかには主要な幹線高速道路はほぼ含まれており、運用的にはかなり楽になったといって差し支えない。
ところで、ダブル連結トラックと聞いても何のことかわからない人も多いだろう。実際、運送業の当事者もしくはトラックマニア以外には余りなじみのない言葉である。
「ダブル連結トラック」とは何か

ダブル連結トラックとは通常の大型トラックの後方にもう1台、ほぼ同サイズのトレーラーを連結しているものを指す。ここで少しトラックに詳しい人なら、以前からある
「フルトレーラートラック」
と何が違うのかという疑問を抱くかもしれない。実際のところ、ダブル連結トラックとはフルトレーラートラックそのものだ。違いは幾つかの段階を経て連結全長と最大積載量が大きくなっていることだ。
ここのところをもう少し詳しく説明すると、フルトレーラー自体はかなり昔から運用が許可されていた。ただしその連結全長は最大で19mであり、トラックの後方にやや短いトレーラーを連結していたのが特徴だった。
この19m全長規制が21mに緩和されたのが、2013(平成25)年11月のこと。2016年9月にはさらに全長を25mまで容認する案が出され、ここからダブル連結トラックと呼ばれることとなった。
全長25m車の公道走行実験が開始されたのが2017年10月。ここでの実験結果を踏まえて、まず新東名高速道路での運行が許可されたのが2019年1月。同年8月には冒頭に記した通り主要高速道路2050kmに運行許可区間が拡大され、最終的に現在の5140km区間になったということである。