「空港 + 自動運転技術 」が相性抜群である納得の理由
日本の各空港では、自動運転技術の実用化に向けた取り組みが進められている。一体なぜ、自動運転技術が必要とされているのだろうか。
公道よりも実行可能

自動運転技術は、日本の空港にとって十分実行可能なオプションといえる。自動運転技術のメリットを生かしつつ、空港が抱える“効率性と安全性の向上”といった課題を解決することができるからだ。そのことを裏付けるように、空港における自動運転技術の実証実験は他にもある。
例えば、JALは2019年より成田空港の制限区域内にて、自動運転トーイングトラクターの運用に向けた実証実験を開始。トーイングトラクターとは運送用コンテナをけん引するための車両で、2022年5月には、成田国際空港の車両通路にて自動運転トーイングトラクターの運用を開始している。ちなみにANAも豊田自動織機と協力して、2021年に自動運転トーイングトラクターの実用化に向けた自動走行実証実験を実施した。
さらに、旅客搭乗橋も自動運転化の試みがなされている。2021年には成田空港で導入プロジェクトの第1弾を実施。操作パネルのレバーを倒すだけで、旅客搭乗橋の移動から飛行機へ搭乗橋を装着する手前までを自動運転化するというものだ。
これによって大幅に作業量が減るものの、人による操作が一部必要となるため、最終的には「人の手を介さず航空機に装着可能な世界初の完全無人自動運転旅客搭乗橋」の実現を目指している。
日本の空港は自動運転技術の導入を進めることで、毎年何百万人もの乗客にワールドクラスの旅行体験を提供している。同時に、自動運転技術の実証実験や運用によるデータの蓄積等により、自動運転技術の社会実装にも貢献しているのだ。
飛行機が空港から世界へ飛び立つのと同じように、空港で鍛えられて成長した自動運転技術が、空港の外へ羽ばたいて行く日も近いのかもしれない。