「空港 + 自動運転技術 」が相性抜群である納得の理由
日本の各空港では、自動運転技術の実用化に向けた取り組みが進められている。一体なぜ、自動運転技術が必要とされているのだろうか。
成田空港では導入に向けた実験実施

こうしたメリットを生かして、日本の空港では既にいくつかの自動運転技術が導入されている。例えば、成田国際空港では遠隔型自動運転バスの実証実験を行った。人手不足やヒューマンエラーによる車両事故リスクの軽減を目的とした自動運転の導入だ。
2021年度の同実証実験では、空港の制限区域内において、遠隔型自動運転バス1台を走行。さらに2022年度にも実証を行っている。三つの旅客ターミナル間の遠隔型自動運転バスの運行実験では、第1~3旅客ターミナル間の約5kmのルートで遠隔型自動運転バスを運行した。
そして成田国際空港と同様に、羽田空港でも自動運転バスの実証実験を実施。往復約3.9kmのルートを最大時速20kmで走行した。2023年2月27日時点では、累計88日、599便を無事故で運行している。
さらに羽田空港では、自動運転バスの運行に加え、空港内を移動できる独り乗りの低速モビリティが導入されている。自動運転技術を搭載したパーソナルモビリティ(WHILL 自動運転システム)は、待機場所から搭乗便の搭乗口までを自動運転モードで案内。無料で利用でき、到着後は無人運転で待機場所に自動返却される。
ちなみに、同パーソナルモビリティの自動運転はとてもスムーズだ。障害物があるとそれを避けるようにして進む。例えば、人が近づくと減速してぶつからないように運転が続けられる。ペースはゆっくりであるものの、人や障害物を避けつつ目的地へ向かい、安心して乗車できる。
健康な人は歩いたほうが早いかもしれないが、シニア世代や移動が辛い人にとっては非常に便利なサービスだ。ドライバーや操作技術を必要とせず、自由に乗車できて返却の手間がないのもうれしい。