大企業はなぜ有名人を“社外取締役”に起用するのか? スズキは「高橋尚子」氏、いったい何を期待しているのか

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最近、さまざまな企業で著名人の社会取締役就任が続いている。スズキは高橋尚子氏を迎えている。その背景にはいったい何があるのか。

各業界で著名人が社外取締役就任

スズキのウェブサイト(画像:スズキ)
スズキのウェブサイト(画像:スズキ)

 最近、さまざまな企業で著名人の社会取締役就任が続いている。

 例えば、女優の酒井美紀氏が食品メーカーの不二家(東京都文京区)で、元フジテレビアナウンサーの菊間千乃氏が化粧品メーカーのコーセー(中央区)で社外取締役に就任している。

 モビリティ業界においても大手自動車メーカーのスズキ(静岡県浜松市)で、シドニー五輪女子マラソン金メダリストで国民栄誉賞受賞者でもある高橋尚子氏が社外取締役に就任している。

 私事になるが、高橋氏は元リクルートで著者(曽和利光、人事コンサルタント)の同期であり(おそらく覚えていただいてはいないとは思うが)、個人的には大変喜ばしく思っている。

 それはさておき、このように著名人が社外取締役に続々起用されるのはなぜなのだろうか。

各社の起用理由は「違った視点」

不二家のウェブサイト(画像:不二家)
不二家のウェブサイト(画像:不二家)

 スズキは高橋氏を起用した理由を

「高橋さんはスポーツ分野の第一人者としての経験や視点をお持ちで、社外貢献活動も経験を幅広くお持ちということもあるので、これからそうしたお立場からESG(環境、社会、企業統治)対応に新鮮なご助言、ご指摘をしていただきたい」

と述べた。

 ちなみに、老舗食品メーカーの不二家は酒井氏の起用理由を

「社会貢献や主婦としての観点からの助言をいただけると判断した」

 化粧品メーカーのコーセーは菊間氏の起用理由を

「コーポレート・ガバナンス(企業統治)体制の強化を図る目的で、菊間氏が弁護士として高度な専門知識を持ち、マスメディア関連の経験によって広い視野で企業経営に対する指摘や助言を得られるとして判断した」

としている。いずれも

・視点
・観点
・視野

という言葉が使われており、社内取締役とは違った物の見方、考え方を導入したいということだ。

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