JR貨物だけに責任を負わせるな! 国内物流でいまだ軽視される「鉄道貨物」、2024年問題は格好の好転材料となるか

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日本の産業を揺るがしかねない物流の「2024年問題」を控え、鉄道貨物輸送がじわりと存在感を高めつつある。国内物流においていまだ軽視される同輸送の名誉挽回なるか。

誰がJR貨物を助けるのか

JR貨物のウェブサイト(画像:JR貨物)
JR貨物のウェブサイト(画像:JR貨物)

 とはいえ、2024年問題を踏まえれば、国内物流を安定化にとって、JR貨物は欠かせない。JR貨物は、需要に即した列車を走らせていると説明するが、実際に「ダイヤとニーズのアンマッチ」の指摘を受けたのだから、旅客会社の保守時間帯をずらすなどして、ダイヤを改善すべきだ。

「商品事故が多い」という指摘は致命的だ。サスペンションが向上している大型トラックに対し、鉄道はいまだ単尺レール(継ぎ目のあるレール)の区間が多い。

 JR各社はしばしば列車の速達性を誇るが、多くの場合、その乗り心地は及第点にさえ到達しない。JR湘南新宿ラインと、ライバルの小田急電鉄、東急電鉄を乗り比べればわかるだろう。

 簡単にはいかないが、ロングレール化(継ぎ目の溶接)の推進や、貨車への空気バネやダンパー(緩衝装置)装備など、いずれも改善していく必要がある。

 災害対策でいえば、特に、先述の検討会で指摘された遅延の多さは、「定時・大量・高速」を誇ってきた日本の鉄道自体にとって恥ずべきことといえよう。

 東日本大震災のときに、石油を運ぶため、通常は貨物列車が走らない磐越西線に迂回の貨物列車が走ったことや、2018年6~7月の「平成30年7月豪雨」でも、通常は貨物列車の運行がない山陰本線などを貨物列車が走ったことは、いずれも美談にされる。

 しかし、後者は迂回開始までに2か月を要した。施設や車両の確認に手間取ったためだ。旅客会社と協力し、日頃から数パターンの迂回ルートを想定して運行試験を行ったり、予備車両をあらかじめ分散配置したり、乗務員の訓練をしたりしておけば、迅速な代替輸送ができるだろう。

 インフラに関わる問題ゆえ、多額の費用が求められるが、もとよりJR貨物だけに責任を負わせるべき問題ではない。なぜなら、トラックドライバーの長時間労働問題に端を発する2024年問題は

「国策」

であり、整備新幹線にともなう並行在来線の分離も「国策」だからだ。高速道路のバイパスを用意する、というほどの新たな観点から、鉄道貨物の輸送路も確保・維持してもらいたい。

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