JR貨物だけに責任を負わせるな! 国内物流でいまだ軽視される「鉄道貨物」、2024年問題は格好の好転材料となるか
日本の産業を揺るがしかねない物流の「2024年問題」を控え、鉄道貨物輸送がじわりと存在感を高めつつある。国内物流においていまだ軽視される同輸送の名誉挽回なるか。
北海道の「生命線」どうなる

もうひとつ、先送りされたままの大問題が、2031年に札幌延伸開業予定の北海道新幹線の存在である。
新幹線と並行する在来線函館本線(函館~長万部間)は、運行するJR北海道から経営分離されることは既に決まっている。しかし、その受け皿が決まっていないのだ。
北陸新幹線や九州新幹線など、これまでの例ならば、沿線自治体が出資して第三セクター鉄道を設立し、旅客の地域輸送を行うとともに、貨物列車も継続して運行される。しかし、函館本線にその動きはない。旅客需要があまりに小さく、経営が成り立たないと予測されているからだ。
北海道庁の予測によれば、新幹線が開業する2030年度の輸送密度(1km当たり1日平均利用者数)は、わずか
「85人」(新函館北斗~長万部間)
である。2023年3月に廃線になった留萌本線(石狩沼田~留萌間)の90人に匹敵する。
一方、貨物輸送に限ってみれば、この区間は紛れもなく「大動脈」だ。北海道~本州間の鉄道貨物のシェアは1割程度ながら、ホクレンによれば、農産物輸送の実に
「28%」
を占める。
逆方向も、北海道への生活雑貨を本州から運んでおり、最近ではある有名作家の新刊の道内発売が、列車事故のために数日遅れたこともあった。函館本線は単なるローカル線ではなく、
「物流の生命線」
なのだ。JR貨物に問題があるというより、国内物流において、いかに鉄道が軽視されているかの表れともいえるだろう。