EVの“低価格化”待ったなし? 「コスト削減 → 生産増加」のポジティブサイクルで、見えてきた世界普及の現実
これまではEVは内燃機関車よりも高いというイメージが強かったが、2023年に入り大きな転換期を迎えている。
米国の約4割「購入の可能性あり」

近年世界で急速にシェアを伸ばしているEV(本記事では特筆なき場合、バッテリー式電気自動車〈BEV〉を指す)だが、現時点ではすべての人に受け入れられているわけではない。
例えば最近では、米シカゴ大学が2023年4月に発表した米国での意識調査によると、回答者の41%が「次の車としてEVを購入する可能性が高い」とした。
一方で、購入しない理由としては最多となる回答者の83%が
「車両価格の高さ」
を挙げ、続く「充電インフラの不足(77%)」や「電池技術の未熟さ(71%)」といった理由を上回った。
購入の最大のハードル

本調査は米国での実施だが、同様の調査は世界各地でさまざまな企業・団体により実施されており、多くの調査で今回と似たような結果がでている。
例えば、国内で駐車場やカーシェアを運営するパーク24(東京都品川区)が2021年5月に発表した意識調査によると、EVの購入タイミングとして最多の34%が
「価格が手ごろになったら」
と回答し、続く「充電ステーションが増えたら(19%)」や「航続距離に不安がなくなったら(12%)」を大きく上回った。