「名古屋走り」「松本走り」「山梨ルール」 危険な“ご当地ルール”はなぜ無くならないのか、という根本疑問

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交通ルールは道路交通法によって定められている。そのため、全国どこに行っても変わることはない。しかし、車を使って旅行・観光をしていると、それぞれの地域では独自ルールが横行しており、驚かされることがしばしばある。

なぜなくならないのか

都道府県別・車種別保有台数表(画像:自動車検査登録情報協会)
都道府県別・車種別保有台数表(画像:自動車検査登録情報協会)

 全国的に知られているご当地ルールとして、

・松本走り
・山梨ルール
・伊予の早曲がり

そして、前述した名古屋走りなどが挙げられる。

 名古屋走りに関しては「ウインカーを出さずに車線変更をしてしまう」という点だけではなく、「信号無視」「速度超過」「右折時の早曲がり」などの要素も含まれている。もはや交通ルールを度外視した名古屋走りだが、一体なぜこのような危険走行が横行しているのだろうか。

 実は名古屋市は、有名自動車メーカーのお膝元で、自動車保有台数が非常に多い県として知られている。自動車検査登録情報協会(東京都千代田区)が2023年2月に発表した「都道府県別・車種別保有台数表」によると、愛知県の自動車保有台数は536万6981台で全国1位。つまり、日本で一番自動車が多く、必然的に交通量も多くなっているのだ。

 そのためか、道路は“片側3車線”が一般的となっており、走りやすい環境が整っている。しかしこの道路環境が逆に、名古屋走りを引き起こす原因につながっているようだ。

 例えば名古屋市では、車線が多いせいか、一番左側の車線では「路上駐車」が横行している。そして路駐している車両を避けるために、急な車線変更を余儀なくされるといったこともあるようだ。

 また交通量が多いため、一度車線変更をしてしまうと元の車線に戻れない状況に陥ることもしばしば。そうした状況を避けるべく、進行方向に路駐している車がいないか確認しようとして、つい“車線をまたいだまま”走行することも。その結果、ウインカーを出さずに車線変更する名古屋走りになってしまうことがあるようだ。

 ほかにも、モラルの低さ、自分が危険な運転をしているという意識が薄い、といったドライバー側の問題にも苦言が呈されている。さらに警察の取り締まりが甘いことなども、名古屋走りがなかなかなくならない原因になっているのでは――と考えられているようだ。

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