景観のためだけじゃない! 私たちが街から「街路樹」をなくしてはいけない理由

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多くの道路には、街路樹が等間隔で植えられており、行政によって適切に管理されている。そんな街路樹、実は景観をよくするためだけに植えられているのではないことをご存じだろうか。

見直すべき街路樹との関係性

仙台市の街路樹の樹木種別構成割合(画像:仙台市)
仙台市の街路樹の樹木種別構成割合(画像:仙台市)

 仙台市では、次の五つの基本方針によって街路樹を守っている。

・みどりと共生するまち
・みどりで選ばれるまち
・みどりを誇りとするまち
・みどりとともに人が育つまち
・みどりを大切にするまち

 特に、「みどりを誇りとするまち」や「みどりを大切にするまち」は一見するとどの市でも当てはまりそうだが、ここに杜の都といわれる理由が隠されている。

 まず、計画的な樹木更新として老い木と新木を入れ替える作業を行っている。倒木を防ぐことにつながり、さらには、これまでの景観を維持することがかなう。その上で、道路路線ごとの街路樹のデータを蓄積しカルテを作り、データを活用することで計画的な剪定(せんてい)などの樹木管理を可能にしている。さらに、SNSで杜の都としての情報発信を行い、仙台市の魅力発信を行っている。

 ここまで街路樹の管理を徹底し、情報発信を盛んに行えば、「杜の都」としての住民の誇りにもつながり、満足度も上がるのではないだろうか。

 もちろん、道路整備も重要だが、こういった街路樹の管理も怠ってはならない。街路樹を含めた道路整備を期待するとともに、木々が邪魔だから切るといった安易な考えはやめてほしい。より道路環境がよくなるような樹木の更新など、景観をそこなわないようにしてほしいと願うばかりだ。

「ここに住んでよかった」と思えるように、街路樹と私たちの関係性を見直していく必要がある。

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