景観のためだけじゃない! 私たちが街から「街路樹」をなくしてはいけない理由
多くの道路には、街路樹が等間隔で植えられており、行政によって適切に管理されている。そんな街路樹、実は景観をよくするためだけに植えられているのではないことをご存じだろうか。
仙台の街路樹再生が注目されるワケ

そんな街路樹を正しく管理し、緑のまちとしてまちづくりに取り組んでいる自治体がある。
宮城県仙台市は、2021年に「仙台市街路樹マネジメント方針」を定め、杜(もり)の都として街路樹の持続的な運営管理を進めている。街路樹マネジメントとは、「街路樹の適正な整備・維持管理により、その価値を向上させるとともに街路樹が持つ多様な機能を有効活用することで、都市の魅力を向上させる活動」と位置づけられている。
ここで筆者(佐野響、フリーライター)は、街路樹の整備を進めることが
「街のブランド育成にもつながる」
ということではないかと感じた。
同市は、政令指定都市の中でも特に街路樹が多い。管理道路1kmあたりでは、3m以上の高木の本数が6位、3m以下の中低木の本数が1位だ。また、
・定禅寺通のケヤキ
・勾当台通外記丁線/定禅寺通県庁前線のイチョウ
といった樹木が保存樹林に指定されており、市民も愛する通りになっている。
実は、街路樹は単なる植樹にすぎず、道路法第2条第2項第2号では、道路の付属物として扱われている。れっきとした道路の一部なのだ。そのため、道路管理者が適切に管理することが義務付けられている。